必要経費かどうかは自分で決める!必要経費の考え方や具体例を解説!

昨日は事業所得の計算をする上での経費として、家事関連費について解説しました。今日はメインの経費である「必要経費」について、その考え方を具体例を交えながら解説します!

経費になるかどうかを判断する際に重要なことは、必要経費になるかどうかは自分で決めるということです。税務署や自治体の市民税課が決める訳ではありません。自分で必要経費になる理由付けをちゃんと行い、漏れなく経費を計上して、しっかりと節税していきましょう!

目次

必要経費とは?→仕入や販管費など業務上の支出

税務署は税法に従って指摘や質問をしてくるので、まずは必要経費の税法上での定義を確認しておきましょう。必要経費の定義は所得税法37条1項に定義されていて、以下の通りです。ポイントは赤字。

必要経費の定義
  • 総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
  • その年に生じた販売費一般管理費その他業務上の費用の額

字面だけ見ると分かりにくいですが、仕入や事業をしていく上で必須で発生してくる支出はすべて必要経費というイメージで問題ないかと思います。

税法でもここまでのルールしかないので、具体的に必要経費に該当するかどうかというのは、納税者自身で決めることになります。でも、その判断が妥当ではなければ、もちろん税務署から指摘を受けます。

では、その妥当のラインや判断基準はあるのか?次章で具体例を交えながら解説します。

必要経費になるかどうかの判断基準・具体例

〇商売をするために必要不可欠な支出はほぼ必要経費

例えばネット物販であれば、商品仕入れ、仕入に係る諸経費、商品の保管費用、配送費用、梱包資材、各種通信費、決済手数料などが必須でかかってきますよね。こうした支出はネット物販をするためには必要不可欠なので、すべて必要経費になります。

このように、その事業の中身や性質上、必要不可欠で、その支出をしないと事業をすること・継続することが出来ないのであればそれは必要経費です。

△微妙なラインでも考え方によっては必要経費になる

上記のような分かりやすい場合は良いですが、中には「これ経費になるかなーちょっと微妙かな…」という時もあるかと思います。そんな時は、その支出が事業に繋がっているかを考えてみましょう。

必要経費の定義の中にも、「その他業務上の費用の額」というのがありましたよね。つまり、必要経費になるかどうか微妙なラインの支出であっても、それが業務に間接的にでも影響・関係してくる支出であれば、十分必要経費となり得ます。

例えば、後でプライベートの予定があって、それまでに一仕事しないといけない状況だったとします。でも時間が足りなくてギリギリまで仕事をして、プライベートの予定に間に合わせるためにタクシーを使ったとします。そのタクシー代はプライベート目的のような気もしなくもないですが、考え方によっては、仕事を期限までに間に合わせるための必要経費とも言えるので、私であれば必要経費として計上します。

要するに、その支出が業務に関連する費用として主張できるのであれば、それは必要経費となり得ます。もちろん、人によって判断が分かれるところではありますが、それが必要経費かどうかは自分で決めることなので、もっともらしい理由付けを行い、しっかりと経費に計上していきましょう!

×こんな支出は必要経費にならない

とはいえ、予め必要経費にはならないと決められていたり、「これはダメかな…」というラインもあります。予め必要経費にならないと決められている支出は以下の通りです。

必要経費にならない支出
  • 完全プライベートの支出
  • 同一生計の配偶者その他の親族に支払う地代家賃(固定資産税等の負担費用は除く)
  • 同一生計の配偶者その他の親族に支払う給与賃金(青色事業専従者給与は除く。白色申告者は事業専従者控除の金額が必要経費とみなされる)
  • 不動産所得の金額が損失となった場合の負債利子(その負債の利子の額に相当する部分の損失の額は生じなかったものとみなされ、他の所得金額との損益通算は不可)
  • 固定資産税のうち、業務用の部分以外の金額
  • 所得税、住民税、罰金、科料、過料
  • 公務員に対する賄賂

上記のうち、やはり一番関係してくるのは一番上の「完全プライベートの支出」かなと思います。

プライベートの支出でも、それに事業上の経費としての目的や効果も含まれているのであれば、家事関連費として事業上の経費となる部分は経費計上が可能です。

しかし、そうした事業上の経費となる余地がないのであれば、家事関連費として計上することは出来ません。

あとは、一見するとプライベート目的の支出だけど、考え方によっては必要経費に出来ないか、という視点で検討することは出来ます。それで必要経費と考えられなくもないなら経費として計上すればいいでしょう。

ただ、支出の内容が事業とは全く関係ない支出(旅行など)や、金額が多額の支出(数万円を超える買い物など)など常識的に考えて明らかにプライベート目的としか考えられないのであれば、それはもう残念ながら経費として計上するのは難しいですね。

まとめ

以上、必要経費の考え方や具体例についてでした!

仕入や諸経費が必要経費になるのは感覚的にも分かると思いますが、節税的には、考え方によっては必要経費となり得る支出を出来るだけ経費として計上したいところですね。

ただし!微妙なラインを経費計上する場合には、税務署と議論になる可能性はありますので、その点は覚悟が必要です。それでも税務署が否定できない程度に必要経費となる理由や客観的な証拠があるのであれば堂々と経費に計上していきましょう。

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