家事関連費も立派な経費です!家事関連費の割合や理由付けの仕方を解説

個人事業主の事業所得を計算する上での経費としては、大きく①必要経費と②家事関連費という2つの費用を控除することが出来ます。本記事では、このうち②の家事関連費について解説します!

家事関連費も立派な経費なので、漏れなく・しっかりと計上してどんどん節税しましょう!

目次

家事関連費とは?経費計上の要件

家事関連費とは、事業とは関係ないプライベートの支出と事業上の経費としての支出の両方の目的や効果が含まれる支出のことです。

所得税法においては、完全にプライベート目的の支出は「家事費」として、事業上の経費に計上することは出来ません。しかし、プライベート目的の支出の中でも、中には事業上の経費にもなっている支出もあるので、そういった支出(=家事関連費)であれば、その事業上の経費の部分だけは経費として計上してもよいという税法になっているのです。

この家事関連費を経費に計上出来るのは以下の2つの場合です。

家事関連費を計上する要件
  1. その支出の主たる部分が業務の遂行上必要であり、必要である部分を客観的に区分することができる場合のその区分された金額(青色申告者・白色申告者共通)
  2. 取引の記録等に基づいて、業務の遂行上直接必要であることが明らかにされる部分のその金額(青色申告者のみ)

青色申告者を前提にすれば、2つ目の要件により、取引記録等の客観的な記録があり、それで業務で使用した割合を示すことが出来れば、経費計上可ということです。

では、具体的にどんな風に考えればよいのか、次の章で解説します。

家事関連費の割合や根拠づけの仕方・考え方

ここからは家事関連費として良く出てくる費目について、個別に解説します。ここで挙げた費目以外でも、事業に関係する支出があれば、家事関連費として計上可能なので、下記の考え方を参考にして頂ければと思います。

自宅家賃

おそらく家事関連費として一番大きい費目が賃貸で借りている場合の自宅家賃です。

個人事業主やフリーランスの場合、事務所や店舗を借りていないケースもあり、そういった方々は自宅でお仕事をされていると思います。この場合、例えば毎月家賃が10万円だとして、事業で使っている割合が5割であれば、毎月5万円、年間で60万円の経費を計上出来るのです。税率や国民健康保険料を合わせて3割だった場合、年間18万円(60万円×3割)も節税出来ることになるので、非常に大きいですよね。

上記の例えでは経費計上割合を5割としましたが、この割合はどう決めたらいいのかというと、例えば下記があります。

  • 仕事で使っている領域の面積割合(←オススメ)
  • 仕事で使っている時間の割合

時間割合よりも、面積割合の方が割合が大きくなりやすいので、面積割合で経費計上の割合を考えるのがおススメです。

また、後で万が一税務署から質問等されても、客観的な根拠ととも答えられるように、自宅の見取り図で割合を図示しておくと良いでしょう。それがあることで、「取引の記録等に基づいて」という要件を満たすことが出来ます。

なお、一応割合にも相場のようなものがあって、私の感覚では、一人暮らしワンルームで5割、家族もいる広めの家ならそれ以下という感覚です。もちろん5割以上でも計上は可能ですが、それには+αで客観的な根拠と理由が欲しい所です。例えば、自宅の1室を動画配信部屋にしているとか、在庫置き場にしているとか、そうした理由があれば、5割以上もあり得ると思います。

面積割合を増やしたい場合には、居室以外の廊下や洗面所、風呂場等も仕事で使っているという理由もありかなと個人的には思います。だって、常に仕事のことを考えていれば居室以外でも仕事のことは考えるし、スマホで調べものだってします。ベッドの上で仕事することもあるでしょう。そうした部分を積み上げていけば、1割~2割は増やせるかなと。(ただし、その場合でも見取り図で図示しておきましょうね!)

自宅の水道光熱費

自宅の水道光熱費は結構悩ましい部分です。というのも、業務との関連を客観的な根拠をもって示すのがなかなか難しいためです。

例えば、水道光熱費を事業で特段使う訳ではない業種の方であれば、以下のような形で考えるのが妥当かなと思います。

  • 電気代:自宅家賃の使用割合と同じ割合
  • 水道代:経費計上不可×
  • ガス代:経費計上不可×

電気代はよくコンセント数などで按分という方もいますが、実務上そこまでやっている方は私は見たことはありません。自宅家賃を面積で経費計上している場合には、その割合に準じて電気代も発生していると考えることは、客観性・合理性は問題ないと考えます。

ただし、水道代やガス代は主にお風呂や飲食で使っている方が多いと思うので、これらを家事関連費で計上するというのはちょっと難しいかなーという感覚です。でも。例えば部屋の暖房でガスや灯油を使っているとか、飲食業で自宅で商品開発をするのに、水道やガスを使うといった特段の理由があるのであれば、経費計上出来ると思います。

携帯代・自宅ネット回線通信料

最近だと携帯代や自宅の固定回線代なども結構な出費になると思いますが、これらも家事関連費として経費計上できます。

これらも業務で使用した割合で経費計上することになりますが、なかなか使用割合を出すというのは難しいと思うので、業務で使用した日数や程度(目的別の使用内容の量)に応じて割合を決めるのが良いかと思います。とはいえ、適当に決めただけだと税務署から質問されてもしっかりとした回答をするのが難しいので、例えば一定期間の記録を取っておいて、その割合を1年間通しで適用するなどといった対応をしておくのが望ましい対応です。

割合の相場としては、私の感覚的には、携帯代は5割~全額、自宅ネット回線は自宅家賃に準じていれば大きな問題はないかなと思います。

車両関係費

車両関係費も結構金額が大きくなるので、家事関連費として計上したいところです。

車両関係費としては、駐車場代、ガソリン代、ETC・高速代、維持費など色々ありますよね。これらを事業で使用している割合で経費計上することになります。

事業で使用している割合は、車両関係費の場合は、業務で使用した日数や程度(おおよその移動距離)に応じて按分するのが一般的かなと思います。計算可能なのであれば移動距離で計算するのが最も客観的です。

福利厚生・飲食費関係

最後に福利厚生や飲食関係の支出。これらはプライベート目的との境が曖昧になりがちであり、どちらかというとプライベート目的とみなされることが多いので、経費計上する場合には特に注意が必要です。

家事関連費として計上するためには、業務上の必要性その必要である部分が客観的に分かるかどうかというのがポイントになるので、それぞれ理由付けをしましょう。例えば以下のような感じです。

  • 支出内容:旅行先で遊ぶと同時に商品仕入れもした。
  • 必要性:忙しくて旅行先でも仕入をしないといけなかった。
  • 客観性:3泊4日のうち、1日は仕入に充てた。
  • 経費計上割合:仕入日1日の宿泊代や諸経費、往復旅費の25%(=4日分のうち1日を業務で使用したため)

上記は3泊4日のケースですが、1泊2日で道中で仕入をすれば、旅費総額の半分ぐらいは経費に計上できるかなと思います。(それでも完全遊び目的の費目は不可ですが)

まとめ

以上、家事関連費についでした。家事関連費も積み上げれば結構な金額になるので、節税効果大です。

家事関連費もしっかりと計上して、しっかり節税していきましょう!

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