こんな融資は苦戦する可能性が高い!準備は計画的に。

新たに事業を始める際には、銀行から融資を受けたいと考える方も多いと思います。しかし、その融資申込をする状況や内容によっては、苦戦する可能性が高いもかもしれません。

本記事では、少しでも融資の可能性を高めるために、苦戦する可能性が高い融資と、その対策についてご紹介します。なお、ここで紹介する対策は本質的な部分が多いので、一朝一夕で解決できないものも多いです。そういう意味では、準備は計画的に行う必要があるというのもとても大事なポイントになります。

目次

苦戦する可能性が高い融資とその対策

①未経験→バイトや転職で経験を積む

融資対象となる事業が未経験だと、事業を失敗する可能性が高いと見られる可能性があります。

そのため、未経験なのであれば、バイトや転職をして、その経験を積んでおくのが望ましいです。

これは、融資のためでもありますが、その後の事業を成功させることにもつながるので、是非押さえておきたいポイントです。

なお、学生時代のバイトとかでも経験があれば、完全な未経験という訳ではないので、それもアピールポイントになります。あまりに昔過ぎたら微妙ですが。

②自己資金が少ない→計画的に貯金する

自己資金が少ないと、融資への依存度が高くなるため、その事業の財務的な安全性が低くなります。また、自己資金が少ない=計画的に準備を進めてきた事業ではないと見られる可能性もあります。

そのため、融資は受けるにしても、ある程度の自己資金は準備しておきましょう。元々貯蓄があれば問題ありませんが、一番印象が良いのは、創業するために計画的にお金をためてきたというパターンです。

自己資金の割合は事業の内容やリスク、投資金額の大小によっても変わってくるので一概には言えませんが、最低でも3割、未経験事業やリスクの高い事業の場合には、もう少し欲しい所かなという感じです。

③事業を始めるきっかけが計画性に欠ける→その事業をする理由を整理する

事業を始めるきっかけがたまたまだったり、唐突感がある場合は、あまり印象はよくありません。なぜなら、そういった事業は計画性に欠けていることも多いためです。

事業を始めるのが急だったとしても、事業内容がしっかりしていて、自己資金もあり、事業が成功する可能性が高い場合には、そこまでマイナスにはなりませんが、それでもなぜその事業を始めるに至ったのか、そしてする必要があるのかといった点は、事前に整理しておくとよいでしょう。

④すでに融資額が多い→自己資金を増やす

すでに多額の融資を受けている場合には、新たな融資を受けるのは難しい場合があります。

そのため、融資過多となっている場合には、自己資金の割合を増やすなどして、融資依存度を出来るだけ下げましょう。場合によっては、投資額を減らして、融資額を減らすというのも検討の余地ありです。

⑤FC本部任せ→主体性を意識して行動する

フランチャイズの加盟店となるために融資を申し込むこともあると思います。別にそれ自体は問題ありませんが、FCの場合、ノウハウを少なからずFC本部に依存することになるので、その点で主体性に欠けるとしてマイナス評価となる場合があります。

そのため、FC加盟店になる場合でも、その事業を成功させるためにしっかりとした事業計画を自ら作成するなどして、主体的に行動していきましょう。面談でも、その事業についてどれだけ詳しく、熱心に話が出来るかも重要です。

⑥役員貸付金が多い→事前に解消しておく

会社の場合は、会社のお金を社長が個人的な理由で使うと「役員貸付金」として処理されます。この役員貸付金が多いと、銀行からは以下のような疑念を持たれてしまい、マイナス評価となります。

  • 役員報酬が足りていない→ホントはもっと会社業績は悪い
  • 会社の経費を貸付金にしている→ホントはもっと会社業績は悪い
  • 会社のお金を何か別のことに使っている→融資をしても別のことに使われるかも・・・

そのため、役員貸付金がある場合には、事前に解消しておくことを強くオススメします。解消方法は、役員貸付金の残高と同額を、個人の口座から会社の口座に移して、「預金××/役員貸付金××」の仕訳を計上すればOKです。

銀行は役員貸付金にかなり厳しい目を向けているので、役員貸付金がある方は要注意です。

⑦個人の信用情報が良くない→時期を改めるしかない

クレジットカードやキャッシングなどの返済が滞り、個人の信用情報に傷が付いている方もいると思います。信用情報に傷がついていると、銀行からの評価も当然悪くなります。

信用情報が良くない場合の対策は、残念ながらありません。強いて言えば、過去の信用情報の傷が消えるまで期間を置くか、待てない場合にはその他の要素で挽回するしかありません。

⑧事業内容の詰めが甘い→時間をかけてじっくり考える

事業内容の詰めが甘いと銀行からの評価はよくありません。

そのため、事業内容は細部に至るまでしっかりと検討しましょう。例えば下記について。

  • ヒト(従業員)、モノ(商品やサービス、店舗や設備)、カネ(資金調達)
  • SWOT分析(強み、弱み、機会、脅威)
  • 既存事業、同業他社との差別化
  • 市場分析、ニーズ分析
  • 収益計画、返済計画

事業計画は数時間や1日とかで作るのではなく、時間をかけて考えることをオススメします。何日もずっと考えていると、ふといいアイディアが浮かんできたりするので、そういった考えを随時事業計画に落とし込みながら、計画を微調整したり、充実させていくと、結構しっかりとした計画が出来るかなと思います。

⑨儲かる見込みに乏しい→事業内容を再考する

単純に儲かる見込みに乏しいと融資を受けられる可能性は低いです。業績が悪いと貸したお金が返ってこなくなるので当然ですね。

そのため、儲かる見込みに乏しいのであれば、事業内容を再考しましょう。どう考えても儲かりそうにないのであれば、その事業はそもそもやらない方がいいかもしれません。

(番外編)既存事業が好調→新規事業をする理由を整理する

最後に番外編として、既存事業が好調な時に、新規事業をする場合もちょっと注意が必要です。

このような場合には、銀行は「なぜその事業をするのか」、「する必要があるのか」といったことを気にします。既存事業とは全く別の異業種なら特に。

個人的には、儲かる見込みがあるから新規事業をするのであって、それ以上の理由なんかないとは思うのですが、銀行も過剰な融資を避けたいと思われるので、なぜその事業を新たにする必要があるのかといったことはちゃんと整理しておいた方がよいでしょう。

まとめ

以上、苦戦する可能性が高い融資とその対策についてでした。

ここで紹介した内容に一つでも当てはまれば融資が下りないという訳ではありませんし、当てはまる状況も人によって濃淡があります。もし当てはまる部分があっても、事前にしっかりと対策をしておけば、大丈夫です!

逆に、これらのポイントをちゃんと押さえておけば、融資の可能性はぐっと上がると思いますので、お時間あれば是非ご確認頂けると良いかなと思います!

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