確認状の差異調整って何?なんでやらないといけないの?

会計監査では、債権債務の残高を検証するために『確認状』という監査手続をよく行います。

債権債務の確認手続きでは、対象科目の残高と先方の認識している残高が合っているかどうかをダイレクトに確認するため、差異が発生するケースもしばしばあります。

このとき、会計監査を受けている会社の担当者は、会計士から「差異調整をお願いします」と言われると思いますが、この差異調整の内容や実施する理由についてはご存じでしょうか?

差異調整とは何ぞや、また差異調整が必要となる理由について本記事で解説します。

目次

そもそも確認状とは?

確認状の定義

差異調整の話をする前に、そもそも確認状とは何なのか?ということについてご説明します。

公認会計士が行う会計監査では、会社の決算書(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、開示書類)が会計基準に従ってちゃんと作成されているかどうかを確認しています。

上記の確認を行うためには、各勘定科目の残高が合っていることを確認する必要があります。

そして、各勘定科目の残高を検証する方法としては、請求書や契約書などの基礎資料と整合しているかなどをチェックしたり、会社担当者に質問するなどの方法がありますが、それよりももっと手っ取り早い方法があります。

それが、会社が計上している残高が相手先が認識している残高と合っているかどうかを直接確認するという方法です。

この相手先に対して確認するときに発送する書類のことを『確認状』といいます。

確認状の具体例

例えば、A社の売掛金1億円について、確認状の手続きを行う場合でご説明します。

この場合は、相手先(ここではB社とします)では基本的に買掛金1億円として計上されているはずです。

そこで、B社に対して「A社の貴社に対する売掛金は1億円となっていますが、貴社が認識している残高と合っていますか?」と文書で質問するのです。

もし、B社が認識している残高と合っていないという回答がくれば、A社の売掛金1億円には何かしら間違っている可能性が出てきます。

このように、確認状は企業外部の第三者からの回答となり、監査上も非常に証明力の高い証拠となるため、監査でもよく行われる監査手続となります。

ちなみに、確認状は債権債務だけではなく、その確認対象によって銀行や証券会社、また弁護士に対してなど、幅広く行われます。

確認状の差異調整とは?

確認状の差異調整が必要となる理由

確認状の差異調整が必要となる理由は、一言で言ってしまえば、その差異の原因を特定するためです。

差異があったとしても、その際の原因によっては会社の会計処理が問題ないケースも当然あります。

例えば、差異の原因としてよくあるのは以下の通りです。

よくある差異の原因
  1. 会社の処理誤り(漏れや遅れなど)
  2. 先方の処理誤り(漏れや遅れなど)
  3. 両社の処理タイミングのズレ

上記1であれば、会社の処理誤りですが、上記2や3であれば特に問題はありません。

差異があったとしても、どっちの残高があるべきなのかは一つ一つ検証してみないと分からないのです。

そのため、確認状の回答で差異があった場合には、差異調整が必要となります。

差異調整の方法

では差異調整とは具体的に何をすればよいのか?

そもそもですが、勘定残高は一つ一つの取引が積みあがった結果です。

そのため、これらの取引が先方と合っているかどうかを一つずつ照合することで差異の原因を調べることができます。

確認状には差異があった場合の差異理由を記載する欄があるため、先方がこの差異理由にコメントをしてくれていればそれも参考になります。

また、実務的には確認状を発送する際に、明細をつけて送ると、後々の差異調整作業がしやすくなるので、明細をつけて確認状を発送する場合もあります。

上記のような照合作業の結果、差異の原因となった取引を特定し、その取引の基礎資料からあるべき残高がどうなるのかを整理することで、差異調整作業が完了します。

まとめ

確認状は会計監査で行われる監査手続の一つですが、大規模な会社では内部統制の一環で自主的に行う会社もあるほどです。

それだけ確認状という手続きは重要であり、かつ実効性の高い手続きといえます。

確認状の差異調整作業は大変ですが、差異調整の過程で単なるミスではなく、架空取引などの不正が発見されることもまれにあるので、そういう意味でも差異調整作業は大事な作業といえます。

以上、確認状の差異調整についてでした。参考になりましたら幸いです。

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