確定申告を税理士にお願いするか、自分でやるか【税理士関与割合は個人事業主は2割~7割・法人は9割】

一昨日「記帳代行」部分を税理士にお願いするかどうかという記事を書きましたが、本記事ではそもそも確定申告を税理士にお願いするかどうか(自分でやるか)という観点でお話しようと思います。

結論としては、法人であれば税理士にお願いした方がいい、個人事業主ならケースバイケースといった感じです。ただ売上や利益が少ないうちは、まずは自分でやってみることをオススメします!

目次

税理士関与割合の統計データを確認

一体どれだけの人が確定申告を税理士にお願いしているのか。財務省が所得税・相続税・法人税について、税理士の関与割合の統計データを公表しているのでまずはそれを確認してみましょう。

年度H29年度H30年度R元年度R2年度R3年度
所得税20.220.320.621.121.0
相続税84.485.085.786.186.1
法人税88.989.189.389.489.5
税理士関与割合(単位:%)

実際の公表資料はこちらにあります。国税庁実績評価書「令和3事務年度」です。

上記データによると、税理士の関与割合は、所得税が約2割、法人税が約9割となっています。所得税が2割と少ないのは、会社員などがふるさと納税や医療費控除等を適用するために行う還付申告なども含まれているためと思われます。

個人事業主に関してもう少し実態の近い数字としては、株式会社デザインワン・ジャパンの「エキテン店舗会員アンケート(個人事業主の確定申告に関する調査)」がとても参考になります。これによれば、税理士(公認会計士含む)に確定申告を依頼している割合は34%でした。

この割合を売上別で見た時のそれぞれの結果は以下の通りです。

売上税理士等に依頼している割合
300万円未満16%
300万円~500万円22%
500万円~1000万円34%
1000万円~2000万円59%
2000万円~72%
税理士に依頼している割合(単位:%)

上記結果を見ると、売上1,000万円を境に税理士に依頼している割合が一気に増加していることが分かります。この要因としては以下が考えられます。

  • 売上が1,000万円を超えると、その翌々年から消費税の課税義務が発生するため。
  • 売上が1,000万円を超えてくると、税理士に依頼する資金的余力も出てくるため。

確定申告を税理士にお願いするかどうか

法人なら税理士にお願いした方が良い

統計データを見ても、法人の9割近くで税理士が関与していますが、私も法人であれば税理士に依頼した方が良いと思います。そう思う理由は以下の通りです。

  • 法人は個人事業主に比べて会計税務の難易度が上がる
  • 個人事業主にはなかった色々な事務が発生する。(役員報酬の設定・会社の社会保険・源泉徴収・年末調整・法定調書など)
  • 事業主(社長)との資金貸借関係がより厳密になる
  • 社宅や旅費規程など節税方法が個人事業主よりも幅広い
  • 税務調査が入った際の指摘レベルや論点の難易度が個人事業主よりも上がる。
  • 期限後申告が2年連続で青色申告承認が取り消しとなる。

上記のような課題やリスクがあるため、法人を設立して事業を行うのであれば、会計税務の専門家である税理士に依頼することをオススメします。

個人事業主はケースバイケース。自分でやるのもあり

対して、個人事業主の場合は、法人よりも会計税務の難易度は低く、また税務リスクもそこまで高いわけではないので、自分でやるのも全然ありだと思います。統計調査でも、売上規模による違いはありますが、ご自分で確定申告をされている方も一定数いることが分かります。

個人的にはまだ売上や利益が少ないうちは、まずは自分でやってみることをオススメしたいと思います。単純に税理士料金がかからない分節約になりますし、利益が少ないうちは多少間違っていたとしても納税額への影響も比較的小さく、そこまで問題になることもないからです。

とはいえ、会計ソフトへの入力や確定申告書の作成・提出が楽という訳ではありません。特に最初は分からないことだらけで大変なことも多いと思います。そのため、最初から自分は本業に集中して税理士料金分稼ぐ方が効率が良いと思うのであれば、最初から税理士に依頼するのもありだと思います。税理士が付くことで、節税や経営に関するアドバイスがもらえるというメリットもあります。

税理士にお願いする目安としては、やはり消費税の課税事業者になるタイミングから税理士にお願いするのが良いかなと思います。消費税の課税区分の判断はややこしく、難しい部分もあるからです。本則課税と簡易課税のどちらでやるのかなどの有利不利選択も出てくるので、やはりその辺は専門家の知恵を借りる方が良いかなと思います。

まとめ

以上、確定申告を税理士にお願いするか、自分でやるかについてでした。

纏めますと、法人であれば最初から税理士にお願いするのがオススメ。

個人事業主であれば、売上・利益が少ないうちは自分で、売上・利益が多くなってきたり、消費税の課税事業者となる場合には税理士に依頼するのがオススメという感じです!

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