金融公庫書式「企業概要書」の書き方とコツ【実際に私が作成した企業概要書も紹介します】

金融公庫で融資の申し込みをする際には、色々な資料の準備や書類の作成が必要になりますが、そのなかで「企業概要書」という書類があります。

企業概要書とは、金融公庫と現在取引がなく、創業後1回はすでに決算が終了している事業者が融資を希望する場合に作る書類のことで、自社のこれまでの経緯や今の経営状況などについて記載します。

公庫との融資面談では、上記資料を基に色々な質疑応答が行われていくので、融資審査上もとても重要な書類になります。本記事では、そんな企業概要書について、私が自分の融資で実際に作成・提出した資料も見ながら、書き方などについて解説します!

目次

金融公庫書式「企業概要書」の書き方とコツ

企業概要書を書く時に大事なこと

具体的な書き方に入る前に、企業概要書を書くときに注意すべきことについて。

企業概要書は融資に繋がるような書き方をする!

企業概要書は単なる企業のプロフィールではありません。記載内容は、これまでの振り返りから始まり、今の経営状況、業務内容やサービス、強みや弱み、課題など色々な事項を書きます。そこでの記載内容は単なる説明にとどめるのではなく、なぜ今融資が必要なのか、融資を受けることでどんなプラスがあるのか、自社は融資対象として魅力的だということが伝わるような書き方をしましょう。つまり、企業概要書は自己PRをするための書類と言えます。

企業概要書はロジカルに、かつ簡潔に書く!

企業概要書は、公庫での融資判断時にしっかりと読み込まれることになります。そのため、融資判断をする人が納得感を持ってもらえるように、そして読みやすいような文章構成、言葉遣いで書くとよいでしょう。主語や述語がなかったり、理由や根拠がないとその文章の説得力は欠けてしまいます。また、冗長な文章表現は読み手が読みづらくなり、あまりいい印象を与えません。

企業概要書は正直に書く!(余計なことは書かなくてもいい)

企業概要書にウソや実態とかけ離れたことを書くのは禁物です。記載内容については、融資面談で深掘りされるので、そこで整合性が取れないと融資判断上は、むしろマイナス評価となる可能性が高いでしょう。経営状況や見通しについて正確に捉えられていないとして。どんな事業でも弱みや課題はあります。大事なのはその問題点をちゃんと把握して、適切に対処することです。

ただし、書く必要のないことまで書く必要はありません。聞かれたことには正確に記載して、自己PRに繋がるような内容をしっかりと盛り込むと良い企業概要書が書けると思います。

企業概要書の書き方(実例紹介)

それでは、ここからは実際に実例を交えながら、記載内容やポイントについて見ていきます。

企業概要書のフォーマットはこちらの10番にあります。手書きが良いならPDFもありますが、基本的にはExcelでの作成をオススメします。そっちの方が見やすいので。

11番には記入例もありますので、作成する前にさらっと見ておくとだいぶイメージが湧くと思います。

企業概要書のフォーマット

1.企業の沿革・経営者の略歴等

1.企業の沿革・経営者の略歴等
ポイント
  • 経営者がどんな経緯でこれまでの事業を行ってきたか、どんな経験を積んできたかが分かるように出来るだけ詳しく、かつ具体的に。
  • 文章が冗長になり過ぎないように注意。出来るだけ簡潔に書く。
  • 企業の沿革では、これまでの実績も数字で盛り込む。
  • 経営者の略歴では、融資を受けようとする事業の実績や経験を積んできていることが分かるように書けるとGood!
  • その他項目は事実を正確に。

2~4.従業員・関連企業・お借入の状況

2~4.従業員・関連企業・お借入の状況
ポイント
  • 事実を正確に。
  • お借入の状況では、少額のショッピング(日常生活や仕事の日常経費)、奨学金以外はすべて書く。仕事用で多額のクレジットショッピング残債がある場合はそれも書く。
  • 過去や現在の信用情報は信用情報機関等を通じて調べられるので、融資やカードローンがあるのに書かないというのはオススメしません。もしそれが融資判断過程でバレたら、せっかく融資が下りたかもしれないのに、融資不可となりかねません。

5.取扱商品・サービス【ここ大事!

5.取扱商品・サービス
ポイント
  • ここはとても大事な項目です。ここでいかに自己PRができるかで、融資判断にも強く影響してきます。なので、気合いを入れて書きましょう!
  • 客単価はだいたいで大丈夫です。事業によっては、客単価はバラバラだと思いますので、全体の平均をとれば大丈夫です。
  • セールスポイントは、出来るだけ他社との差別化となるように。
  • 販売ターゲット・販売戦略は、そのビジネスが強い、負けないということが分かるように。ここで勝ち目がない内容だと思われてしまうと、融資判断上はマイナス。
  • 競合・市場などは、斜陽産業ではないこと、これからも伸び続ける市場であることを言えればGood!
  • 悩みや苦労している点などは、なぜ融資を受けたいかということに繋がるような書き方がオススメ。融資を受ければさらに事業が安定・加速するのだということをここで伝えたい。

6.取引先・取引関係等

6.取引先・取引関係等
ポイント
  • 事実を正確に。
  • ここでの記載内容をもとに販売先や仕入先等の商流についての質問が来る場合もあるので、その準備もしておく。

まとめ

以上、金融公庫書式「企業概要書」の書き方とコツについてでした。

企業概要書は、就職活動時の履歴書や職務経歴書と似たようなものです。履歴書等では、自分を採用してもらうように自己PRをいっぱい書きますよね。それと同じように、企業概要書では融資を受けられるに自社の自己PRをふんだんに盛り込みましょう!

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