売上の中には手数料が引かれて入金される売上があります。例えば、squareや楽天ペイなどの決済サービスを利用している小売業で、この場合squareや楽天ペイなどの決済代行会社から一定期間ごとに手数料が数パーセント引かれた金額が入金されます。
この売上入金をどのように処理するかという話で、原則的なやり方は総額です。例えば売上1万円、手数料100円だった場合は、次のような仕訳になります。
預金 90 /売上100
手数料 10/
総額が原則という理由の一つに消費税の話があります。つまり手数料10は基本的には非課税取引となるため、純額で入金される90だけを課税や免税などで処理すると手数料10の部分の消費税区分が間違いとなり、消費税計算に影響を与える場合があるからです。でも免税事業者だったり、金額的に影響が小さい場合は実務上問題とならない場合もあるので、そういう時は経理の効率性を考慮して純額で売上処理する場合もあります。
純額で売上処理する場合の仕訳は以下の通り。
預金 90/売上90
消費税以外の経営的の観点で言えば、売上規模が大きい事業者でこうした決済代行会社の利用割合が大きい場合は手数料も結構大きくなってきます。それが純額で処理していると帳簿上見えなくなり、多額の費用をかけてしまっている可能性もあるので、こういう場合は原則通り総額で記帳することを強くお勧めします。総額で記帳することで自社がいくら手数料を払っているかが見えるためです。
例えば、売上1億円の会社で決済代行会社の利用割合が50%、手数料率が3%だとすると、手数料が150万円(売上1億×50%×3%)にも上ります。もちろん電子マネーの導入をすることで売上が増えたり、業務の生産性が上がり、そっちのメリットの方が大きければ別にそれでよいのですが、そうでもない場合や、業績が厳しい会社の場合は決済方法の見直しも経営改善策の一つになります。
最近はこうした手数料負担を重く感じて電子マネーから現金回帰する動きも見れますし、記帳方法を見直して、正しい経営判断をしていきましょう。
